合同会社モリカワのブログ

森川敬一。CTOとして30年やってきました。集大成としてCTOを増やすという事を目標にやってます。

答えは裏から覗けば見えてくる

先日、開発ベンダーからの提案に対して相談を受けました。
開発ベンダーから、保守費用として当初と違って3倍近くの提案をもらった。
これどう思いますか?
良く提案内容を見てみると、発注側から
SLAが99.9%
・停止の場合は、損害補償必要
と指示があったみたいでした。
そーなると、24時間365で体制を組む必要があります。3交代制にして、トラブルに対応できる様にスキルも高くシステムを理解したメンバーの配置。且つ1名でなく複数名。
そりゃ。こうなりますね

問題の本質は裏側にある

これってどう対処するのが正解だと思いますか?
1.ベンダー調整して、少しでも安くなる様に調整する
2.SLAを調整して、少しでも安くする
どちらも不正解。
1,2で解決したとしても、きっと、又、どこかで問題が発生します。
結局は、発注側と開発側がコミュニケーションの上手く出来てない事が問題なんです。
コミュニケーションが円滑であれば、開発側からSLAを損害保証までというのは結構厳しいですよ。コストも上がりますよ。と話が出来ます。
発注側からも、なんでここまで高いのか、どういう事なのか質問できます。
きっと、既にコミュニケーションが破綻している状態で、開発側は、断りたい思いで提案してると思われます。

先ずは情報収集から始める

事象を裏からや横から見ることで、問題の本質が見えてくる事は良くありますが、どこから初めて良いか悩む所です。
バスケット分析で、おむつとビールが同時買われると分析されたのは有名ですが、これは、ビールの売上をあげようとだけ考えているだけだとおむつ購入者にビールの良さをプッシュする様な発想は出てきません。
バスケット分析という手法の様にバスケットのデータを収集する事から始めます。
退職率の高さを対策しようとしている会社で、退職を止めるために面談を増やしたり、福利厚生を充実させる事が考えられますが、実は、使ってるブラウザがChromeの社員は、退職率が低く、IEを使ってる社員は退職率が高かったみたいです。IEは、渡されたPCのWindowsのデフォルトで入ってスグに使えますが、Chromeは自分でインストールする必要があります。自分自身で環境を良くしようとしている社員は、モチベーションも高く、生産性も高く、退職率は低いという結果です。

データが無い時は、ヒヤリングと多重人格

世の中は、もっと複雑でデータがない場合もあると思います。この場合は、沢山ヒヤリングして情報収集する事で因果関係が出てくると思います。
更に相手の気持ちになって考えてみると、引っかかっている部分も見えてくるでしょう。関係者・ステークホルダーが多い場合は、全員の気持ちになって、立場になって見て下さい。

最後に

課題に対して、正しい答えが見引きだせない時や、糸口が見えない、真実が見えない時があると思います。
世の中は、本当に複雑怪奇で、ステークホルダーが増えると立場によって変数が増えて理解不能になります。
先ずは情報収集しながら、様々な角度から課題解決を検討してみて下さい