合同会社モリカワのブログ

森川敬一。CTOとして30年やってきました。集大成としてCTOを増やすという事を目標にやってます。

WEB3.0・DAOで、中央集権的から脱却可能な組織になりえるのか?

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皆さん大好きWeb3.0の話です。
元ZOZO創業者の前澤さんが立ち上げたDAOの会社である、MZDAOが10万人を超えたとリリースがあったのが7月末です。今では50万とかいるのでしょうか?年内に100万人目指すとの事です。
月額費500円なので、10万人でも毎月5000万円で年間6億円のインカムがある組織です。
すごいですね。ワクワクしますね。沢山の人からどうなんだろう?と聞かれます。

まずDAOとは

分散化型自立組織で、簡単に言えば、完全な民主主義組織です。中央管理者が不在で毎度全員で多数決をとって組織のアクションを決定していきます。多数決は、保有しているトークンを使って投票を行うので、組織にとって一番利害が強い人の意見が強いです。これは、トークンを多数保有している人は、組織が良い方に行けばトークンの価値が保たれるので正しいジャッジをするというゲーム理論に導かれる想定となってます。
通常の組織であれば、マネージャーがいたりと階層構造になってます。日本国家でいえば、国会議員(政党)を国民で選んで、国会議員(政党)で代表を選んで総理大臣が決定します。更に総理大臣が各大臣を決定します。
色々な思惑が絡みそうですね。
それに対してDAOは、完全にフラット組織、且つ、都度、投票するのですごく公平な組織に感じます。
ブロックチェーンは、この組織を作る上で最適な完璧なテクノロジーです。

googleは、マネージャーを廃止して失敗した

googleは過去にマネージャーを廃止した事があります。googleの様な先進的な企業では、完全フラットな組織であるべきだ、それが理想だとなったのだと思いますが、組織をフラット化した後に、エンジニアにヒヤリングしたら、マネージャーが必要という回答が得られたみたいです。
フラットになると、決定権を持つ人が居なくなり、話し合いで物事が決まります。これは一見理想的に見えますが、いつまで立っても決まらない事があります。又、時に人は誰か権威のある人の決めて欲しいと思います。何が正しいか分からないためです。

産業を作る出す時は、中央集権が必要

昨今、日本の産業は衰退したとよく言われてます。確かにスマートフォンは海外製ばかり、TVも海外製ばかり、車はテスラ等の電気自動車が主流になりそうだし、日本製はドンドン弱くなっている様に感じます。
これに対して、2022年11月10日、トヨタ自動車ソニーグループ、NTTなどの国内大手企業8社が、次世代半導体国産化をめざす新会社に、共同で出資。これに政府も補助金出すという形になってます。
日本国家をあげての半導体産業の強化です。
過去にも強くなった産業の影には、いつも国家の下支えがあります。フラットでは無いかもしれませんが、こうする事で産業が育つためです。

DAOの様な組織はありえるのか?

先述の通りDAOには、様々な難しさがあります。フラットな投票でも間違いを起こすこともあります。ガーシーの様な国会議員が誕生したのも投票によるポピュリズムの欠点です。
不確実性の高い物事を決める様な組織にはDAOは、難しいと思います。しかし、会社の立上げや事業立上げには向かなさそうですが、特定部分の運用フェースには向きそうです。
例えば、全員でお金を出し合って、何起きた時に分配する様な保険制度の様な仕組みは、相性が良さそうです。
DAOに関しては、思想も絡んだ難しい考え方だと僕は認識してます。難しいとはいえ、理想の組織に向けた創意工夫は、CTOや経営者の立場ではとても重要な事ですので今後も情報収集していきたいと思います。