合同会社モリカワのブログ

森川敬一。CTOとして30年やってきました。集大成としてCTOを増やすという事を目標にやってます。

プロジェクト管理:品質とコストと納期

システム開発において、品質とコストと納期は、常に課題とされている。
今回は、品質とコストと納期の相関関係について考えてみます。

品質とコストと納期の相関関係

先ず、品質の高いシステムを作るためには、コストが沢山掛かると一般的に思われている。
それは、品質を高めるためには、綿密な設計や幅広いテストが必要だからだ。これには沢山の工数が必要であり、人数が沢山必要だし、スケジュール的にも長くする必要がある。
しかし、これは、間違った考え方です。
高品質のシステムという事は、バグが少なく、保守性も高い。バグが少ない分、TOTALでのテスト工数が減少する。
要するに、コストを幾ら投入しても、高品質のシステムは作る事はできない。高品質なシステムを作るのに、コストは、不要という事になる。

品質とコストは反比例

つまり、因果関係として品質が高いからコストが下がる。
これは、品質とコストは、品質が上がれば、コストが下がるので、反比例の関係にある事になる。

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品質と納期の相関関係

品質と納期の関係は、どうだろう。
上記の話の流れからわかる通り、品質の高いシステムは、納期も短縮できる事になる。テスト工程が短縮されるからだ。品質と納期も、同じく反比例の関係にある事になる。品質の悪いシステムは、いつになってもリリース出来ない。品質が下がれば、納期はドンドン大きくなる。

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品質が良いとコストと納期は少なくなる

つまりは、高品質のシステムさえ作れば、コストと納期についての問題は、クリアされる事になる。
1.品質とコストは、反比例の関係
 品質が上がれば、コストが下がる
2.品質と納期は、反比例の関係
 品質が上がれば、納期も短くなる
上記は、主軸を品質に置いて、考えた場合である。

コストと品質、コストと納期の相関関係

逆に、コストを主軸に置いた場合は、どうだろうか?
コストを無理に削減しようとして、リソースを削ったままで、当初の納期設定でシステム開発を行うと、出来上がったシステムは、品質も悪く、納期さえ間に合わないかもしれない。
それは、リソースが足りない状況の反面、納期が迫ってくるために、目に見えない部分のバグを隠してリリースしようとするためだ。
では、納期を主軸に置いた場合は、どうだろうか?
同じく、過度な納期設定をした場合、納期に間に合わせるためには、品質を落として開発を行うしか無い。
結果、低品質なシステムが出来上がってしまう事になる。

システムは品質ファースト

高品質なシステム開発は、適切なリソース配置と適切な納期設定を行う事により、実現される事になる。
プロジェクトに関わる人間が、この事を正しく理解する事が重要である。システムの成果物としては、品質重視のリソース配置、納期設定を行う事。これにより、高品質のシステムが、低コスト&短工期で実現される事になる。
コストを下げようとすると結果コストは上がり、納期を早めようとすると結果納期は遅延する。
品質をあげようとするとコストは下がり、納期は短くなる。