合同会社モリカワのブログ

森川敬一。CTOとして30年やってきました。集大成としてCTOを増やすという事を目標にやってます。

CTO興味ある人へ:CTOの業務についてその7 技術力アップ

CTOを長年やってるとよく聞かれる質問です。

CTOの仕事ってどんな仕事があるんですか?
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から始まったCTOの業務についてのその7です。

技術力アップ

技術力アップとしては、技術調査、技術投資、研究開発、教育等があります。
大きく分けて、未来と現状の技術への取り組みの話になります。ネット業界の技術進歩のスピードは非常に早く、未来が現実になる部分があっという間です。
うまくコントロールする仕組み作りが必要となります。

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技術選定

1.メンバーから意見収集

メンバーの中から注目すべき技術・興味のある技術を収集します。メンバーからだと短期的に興味のある技術にフォーカスしやすいため、短期・長期で技術出しについてファシリテイトしましょう

2.技術トレンド確認

ガートナー社から発表されているハイプ・サイクルを参考にします。最新が時々発表されるので時々、最新を確認しましょう。
■検索ワード:ガートナー ハイプ・サイクル
https://www.google.com/search?q=%E3%82%AC%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%8A%E3%83%BC%E7%A4%BE+%E3%83%8F%E3%82%A4%E3%83%97%E3%83%BB%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%82%AF%E3%83%AB&oq=%E3%82%AC%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%8A%E3%83%BC%E7%A4%BE%E3%80%80%E3%83%8F%E3%82%A4%E3%83%97%E3%83%BB%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%82%AF%E3%83%AB&aqs=chrome..69i57.3083j0j7&sourceid=chrome&ie=UTF-8
■2022年8月16日 ハイプ・サイクル

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黎明期: 潜在的技術革新によって幕が開きます。初期の概念実証 (POC) にまつわる話やメディア報道によって、大きな注目が集まります。多くの場合、使用可能な製品は存在せず、実用化の可能性は証明されていません。

「過度な期待」のピーク期: 初期の宣伝では、数多くのサクセスストーリーが紹介されますが、失敗を伴うものも少なくありません。行動を起こす企業もありますが、多くはありません。

幻滅期: 実験や実装で成果が出ないため、関心は薄れます。テクノロジの創造者らは再編されるか失敗します。生き残ったプロバイダーが早期採用者の満足のいくように自社製品を改善した場合に限り、投資は継続します。

啓発期:テクノロジが企業にどのようなメリットをもたらすのかを示す具体的な事例が増え始め、理解が広まります。第2世代と第3世代の製品が、テクノロジ・プロバイダーから登場します。パイロットに資金提供する企業が増えます。ただし、保守的な企業は慎重なままです。

生産性の安定期: 主流採用が始まります。プロバイダーの実行存続性を評価する基準がより明確に定義されます。テクノロジの適用可能な範囲と関連性が広がり、投資は確実に回収されつつあります。
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黎明期、ピーク期に話題が集まって、色々とネット上で話題になりますが、技術として特定の分野しか適用が出来ない事が多いです。幻滅期に入ってくると現実的に色々なサービスが増えてきます。短期だと幻滅期の技術を確認し、長期だとピーク期から技術を選定します。

3.競合チェック

競合会社フォーカスとIR情報チェックしたり、リリース情報分析します。
 ・IR情報
 ・売上・利益額伸び
 ・利益率
 ・事業セグメント
 ・研究開発費・ソフトウエア資産額
 ・中期経営計画
 最低限の部分として、同業他社の動きに対しての対策検討はCTOの役割です。

体制

 こちらは、組織的に部署を設置して対応するのも理想ですが、コスト的な問題や現場を知らないと適切なアウトプットが出ないという問題もあります。そのため下記の2パターンが考えられます。

1.専任部署設置型

研究する対象が明確な場合、優秀だけどコミュニケーションが下手なエンジニアに役割を与えるのが良さそう。
こちらの場合、予算は、事業粗利の10%程度が目安か

2.全員対応型

20%ルール等を設定して、業務とは別で対応。研究開発テーマもメンバー自信で決める。企画からプロダクト化まで体験させる教育としても使える。エンジニアだけでなく、事業側、デザイン側が入るのがベスト。

技術・単独教育

1.資格取得支援 

 前述のスキルアップに対応しグレード毎の取得資格を定義し、自主学習を推進してもらいます。

2.外部セミナー受講支援

 外部セミナーやオンライン学習(Udemy等)金額の年額をグレード毎に設定する。

3.社内勉強会

 メンバーの自己発信が必要なため、評価と連動させる。

4.社内SNS

 情報投稿、stackoverflow的な相談窓口設定等。CTOが率先して返信しましょう。。

技術・グループ教育

1.リーダー研修、マネージメント研修

 人事、もしくは外部リソースを活用します。

2.メンター制度

 若手のフォローを中堅が行う事によりマネージメントの一貫となる。コミュニケーション量も増えてきます。。

3.合宿

 毎回をテーマ設定し、1,2日かけて集中議論し、能力向上と目線をあげる効果があります。
ここのグループ教育は、非エンジニアの方々と同じメニューで、混合型も視野が広くなるため良いと思います。

まとめ

技術力アップは、短期・長期についての考え方が必要です。

長期

CTOが率先する必要がある分野です。特に長期的な技術は、誰にも分かりません。失敗すると会社の存続を脅かす問題となります。そのため、CTOとしての目利き力が期待されます。会社の体力が出てくれば、色んな技術に投資出来ますが、会社体力がない場合は、なるべく近未来になるまでは、様子見でも良いと思います。

短期

会社の基礎力ともなる部分なので力を入れていきたいですが、会社のPL状態が良くない場合は、放置しがちですが、CTOでしか、ここの注力は出来ません。
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