合同会社モリカワのブログ

森川敬一。CTOとして30年やってきました。集大成としてCTOを増やすという事を目標にやってます。

若手エンジニア向け:ストックとフローの使い分け

コロナになって3年目、リモートワークもなれてきた頃です。皆さん、会社単位で、プロジェクト単位で、部署単位で、色々と工夫されてると思います。
リモートワークで最も重要なのが、コミュニケーションツールです。
このコミュニケーションツールの使い方で、特に若手エンジニアに向けたアドバイスです。

ストック型のコミュニケーションツール

ストック型というのは、stock溜まっていく形のコミュニケーションツールを指します。
例えば、メール等、相手から送信の都度メールボックスにメールが届きます。これはメールという単位でメールボックスに溜まっていく方式になってるので、3日前のメールと今日のメールは、別々にメールボックスに存在します。つまり、ドンドンと溜まっていくコミュニケーションツールです。
メール以外にもチケット管理のツール、JIRA、redmineとかのツールもチケット単位になってるのと、チケットの更新の都度メールが送信されていて、ドンドンと溜まっていくコミュニケーションツールと言えます。

画像

フロー型のコミュニケーションツール

フロー型というのは、flow流れていく形のコミュニケーションツールを指します。
例えば、slack,チャットワーク、メッセンジャー、line等です。メッセージがドンドンと流れていく形になってるので、スピード感あるし、軽いメッセージのやり取りには、最適です。複数人でのメッセージも最適で、他の人のやり取りを眺めながら自分の意見を差し込んだり、やり取りの状況を確認したり出来ます。

画像

フロー型コミュニケーションツールの間違った使い方

昨今の仕事の殆どが、フロー型のツールに以降してきてます。社内だけでなく、社外とのやり取りもフロー型のツールに移行してきています。プロジェクトの中の特定の連続性のあるトピックについてのやり取りであれば、フロー型は過去の履歴を遡る事で、意図や経緯を理解出来るので便利です。
しかし、連続性のあるトピックの中に急に非連続性のタスクを依頼する人がいます。
これってむちゃくちゃで、受け取った相手は、気づかない場合が多いし、気付いたとしても、一瞬見ても、フローで流れて別のトピックになってると、自分で遡ってタスクを探さす必要があります。
一方、ストック型のコミュニケーションツールであれば、急に非連続性のタスクを依頼しても別メールとして残ってます。1通づつ確認する事が出来ます。
もちろん、slackなら自分へのメンションだけ見れる様になってますが、メッセンジャーやlineとかだと自分で一生懸命探さないとだめ、これはもう最悪です。slackは、スレッド化も出来るので更に便利ですね。
ただslackも既読つけると探す必要が出てくる点ではやはりフロー型のコミュニケーションツールです。

困ったストック型とフロー型の使い方

上司:来週から目標設定面談を開始するので、皆さん面談シートの記入を今週中にお願いします
あなた:わかりました。
同僚A:面談シートは、2022版の奴が最新版でしたよね?
上司:そうだね。2022版で。
先輩A:わかりました。
---1時間後
あなた:ところでプロジェクトの見積もりチェックお願いします
客先の上司:チラ見。
---1時間後
同僚A:面談シートは、メールで送りました。
上司:了解。
先輩A:面談シートは、メールで送りました。
---3日後
あなた:見積もりチェックいかがでしょうか?
上司:おっと、見落としてた。。。
見積もり間に合わずに失注できました。

正しいストック型とフロー型の使い方

上司:来週から目標設定面談を開始するので、皆さん面談シートの記入を今週中にお願いします
あなた:わかりました。
同僚A:面談シートは、2022版の奴が最新版でしたよね?
上司:そうだね。2022版で。
先輩A:わかりました。
---1時間後
あなた:ところでプロジェクトの見積もりをメールで送っておきました。チェックお願いします
客先の上司:チラ見。
---1時間後
同僚A:面談シートは、メールで送りました。
上司:了解。
先輩A:面談シートは、メールで送りました。
上司:メールで見積もりみたいよ。納期が入ってないので納期入れたらOKです。
無事に受注できました。

ストック型とフロー型の特性を理解して利用しましょう

ストック型には、ストック型の良さ、フロー型には、フロー型の良さがあります。各々の特性を理解せずに自分勝手なコミュニケーションを取っていると相手が困るし、仕事が滞るばかりです。社内の人間であれば、それだと気づかないのでチケット切ってくれと言われるかもしれませんが、外部の方だと言いづらい可能性もあります。
ツール一つとっても常にメリット・デメリット等の特性を理解しながら使う様に気をつけるとビジネスレベルが1段アップすると思います。