合同会社モリカワのブログ

森川敬一。CTOとして30年やってきました。集大成としてCTOを増やすという事を目標にやってます。

CTO&マネージャー向けtips:暇に慣れたら一人前!

優秀なCTO&マネージャーの困った結果

優秀なCTO&マネージャーは、誰よりもパフォーマンスを出します。会社、サービスにコミットしているので24時間働きます。責任感があるので、部下のミスも全てカバーしてがんばります。目線が高いので色んな事に気が回るので先回りして準備します。
・優秀
・コミット
・責任感
・目線が高い
素晴らしい素養なのですが、メンバーからCTO&マネージャーの評価がこうだったら、そのCTO&マネージャーは、マネジメントとしてマネジメントをしていない可能性があります。

素晴らしすぎるとメンバーはやる気なくす

こういう素晴らしいCTO&マネージャーは最初は人気が高く、頼られるのですが、時間が立つにつれて、自分でやってくださいと言われてしまう。
・自分が失敗してもCTO&マネージャーがカバーしてくれる
・週末出勤して作ったプログラムが1時間で書き直してくれた
・リスクを全て説明してくれるので考える必要がなった
CTO&マネージャーとして精一杯やってるつもりでも周りはドンドンやる気をなくし、ロボットになっていきます。
周りを駄目にするマネジメントです。

人は自分でやらないと覚えない

僕はゴルフが好きですが、人の車に乗せてもらって行ったゴルフ場の道は後から考えてあまり覚えてません。自分で運転して行った時は、道をはっきりと覚えてません。仮に帰り道に事故や違反で捕まったりでもしたら完璧に記憶するでしょう。理解が一番深まる時って自分で考えた時なんです。更に大きな衝撃を受けると尚更です。
優秀なCTO&マネージャーは、代わりにやってくれたり、全てを教えてくれますが、これだと全く覚えてません。考えません。やる気も起こりません。ロボット化に一直線です。

程度な教え方がポイント

教えるのではなくて一緒に考えます。教える時も教える部分は、少しだけ。考えるきっかけを与えるだけにします。背中を押してあげるだけです。一気に教えすぎてはいけません。自分で答えを出したかの様に教えます。
もちろん教えなさすぎも良くありません。何もわかない状態が長すぎたり、全く太刀打ちできない課題だとやる気をなくします。大きすぎる仕事はタスクに分解して渡してあげる事により、そのメンバーにも対応できる状態にしてあげます。最後、タスクが繋がった時に、自分で全部できた様に感じる様にしてあげます。

良い方向に導くより悪い部分を埋めていく

「一利を興すは一害を除くに如かず」という言葉があります。

一つの利益をあげることを考えるよりは、それまでの一つの害を除くことに専念したほうがよいことをいう。
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例えば、健康という目標に向かって、ジョギングしようと言うのではなく、まず煙草をやめようと提案します。
この様にする事で最悪の失敗は免れながら自分なりの良い部分を加えていく様になります。
プログラミングでもセキュリティ周りの最悪の部分は、対処してもらいながら、再利用性や速度部分は、ある程度メンバーに委ねる訳です。

やり方ではなく、考え方をインストール

これにより再現性が高まります。どういう事かというと考え方を教えているので、同じ様な仕事の場合は自分で解決する事が出来ます。考えて覚えているから対応力が上がってるためです。更に似た様な仕事でも自分で考えて結果を出せる様になってきます。やり方ではなく、考え方をインストールした結果です。
当然、失敗する事あるかもしれませんが、失敗を責めたら駄目です。一緒に反省し、次につなげます。その決断のプロセスを確認し、エラーを解消します。今回の反省でなく、次回のための回避策を検討を行います。

暇に慣れろ

このプロセスは我慢するのが超大変です。メンバーが考えている間、答えが分かっていても我慢します。ミスすると分かっていても我慢します。ストレスが貯まるし、待っている間は暇です。それでも我慢します。口を出してはいけません。我慢している事を悟られてもいけません。
タイトルの暇に慣れたら一人前!ですが、成れたらではなく慣れたらです。
CTO&マネージャは、少しでも時間が空くと、目の前のタスクがつい気になってしまいます。何かしなきゃいけないんだと焦ってしまいます。
CTO&マネージャがやるべきは、自分の時間が空いたら次の組織の成長に向かって考えたり、人とあったり、新しい情報収集したり色々をやる事は沢山あります。目の前のタスクがつい気になりますが、CTO&マネージャーが本来やるべきタスクを認識し、次のステージを目指しましょう。
CTO&マネージャが成長してこそ、組織が次のステージにむかって成長します。